注目株のその後

4月5日のエントリーで、いくつか注目している株を取り上げたが、8ヶ月経った現在どうなっているかをみてみよう。

  • Best Buy

4月に$58くらいだったのが、今日現在で$48台。特に最近の動きでは、感謝祭セールのプロモーションが利益率を圧迫したことから急激に値を下げている。もっとも、今年のホリデーシーズンが始まる前から、WalMartが早々にディスカウント宣言をしていたので、今回のアナウンスは予測できたものではあった。売り上げそのものは順調に推移しているので、長期でみればそれほど不安になることはないと思っている。このままクリスマスに向けてさらにディスカウント合戦が続くようであれば、さらに下げる可能性もあるが、そこは逆に買い増しのチャンスかもしれない。
同業のCircuit Cityはもっと悲惨。今朝3Qの業績発表があったのだが、経常利益が予想外のマイナスに転じたことで株価は16%以上も急落。もともと同社の利益の中身がextended warranty(延長保証)頼みという非常に心もとない内容だったので、この感謝祭セールでの値引き合戦のインパクトをもろに受けた格好となった。

  • TiVo

EchoStarとの訴訟はまだ最終的な決着がついていない。4月14日のエントリーで、一時的な値上がりに関して疑問を呈したが、案の定その後下がり続け、一時的なアップダウンはあったものの現在は4月の高値から40%ほど安い$5.30台の値をつけている。この8ヶ月の間にCableCARDを搭載したHD対応のSeries 3を発売したり、パーソナルビデオを取り込んでシェアすることのできる機能をアナウンスしたりと、いろいろ動きはあったものの、根本的な収益構造の改善につながるようなものではない。中長期で考えたときに、特許訴訟以外の部分での成長のシナリオは全く見えず、今後も株価は下落傾向を続けるのではないかとみている。

4月の時点で$31で、既にかなり高くなってしまっていると感じていたのだが、その後も勢いは衰えず現在の株価は4月から70%以上も高い$56台。世界中にキャッシュサーバーを所有し、トラフィックコントロールをすることで高速なサービスを実現する同社のプラットフォームは、基本的にはインターネットを使ったサービス(ビデオやソフトのダウンロードに限らず、ありとあらゆるインターネット上のサービス)の成長が、パイプのインフラの成長を上回っている限りは需要が増え続ける。
アメリカではVerizon、AT&Tなどの電話会社が競って光ファイバーのインフラ投資を続けているが、これは帯域のほとんどを自社のIPTVサービスに使うために確保するためのもので、オープンなインターネットのパイプそのものがこの恩恵を全て受けられるわけではない。当面はAkamaiの成長は疑う余地はないのだが、この成長がどこまで現在の株価に織り込まれているかの見極めが勘所。ちょっとした業績の不振が株価の急落に繋がるリスクはあるが、まだ持っていてもいいだろう。