Netflix株が急騰

zakm2005-12-22

21日のマーケットで大きく値を上げた銘柄をもう一つ。
Netflixは郵便によるDVDレンタルビジネスの草分け。月額$9.99で一度に1タイトルのプランから、$47.99で8タイトルのプランまである。私自身もしばらくNetflixを使っていて、$14.99で2タイトルのプラン。週に2-3本しか見る時間がないのでこれで十分。

Netflixのサービスは使ってみると非常に便利。まずWeb上で見たいタイトルのリストを作り、上位のタイトルから順番に郵送されてくる。これが専用の2重封筒になっていて、開封すると中身がそのまま返信用の封筒に早変わり。切手も糊付けも必要なく、見終わったDVDを入れてポストに投函するだけでよい。返送してから次のタイトルが送られてくるまでのリードタイムは、たいてい3日間。月曜日に返送すれば、木曜日には次のタイトルが届く。

Netflix株は、2004年のはじめに$40近くの最高値を付けたものの、2005年の4月には$8台まで80%近くも下げた。主な原因は、Blockbuster, WalMartによる郵便レンタル事業参入と、Amazonも参入するかもしれないという懸念だった。Blockbuster、WalMartともにNetflixを下回る値付けで参入し、Netflixも追従値下げを強いられて値下げ競争の様相を呈した。しかし勝負は意外とあっさりとついてしまった。Blockbuster、WalMartとも大きく加入者を増やすことができず、WalMartはレンタルビジネスから撤退(DVD販売でNetflixと提携)、Blockbusterもいつまで踏ん張れるのかわからない状況。Amazonアメリカでの参入はあきらめたのではないかと見られている。こうした競合上の懸念がほぼ払拭されたことからNetflix株は復活し、20日の時点では$25.11まで戻していた。

そして21日の終値は9%高の$27.38。
何が起こったのか?
Citigroupのアナリストが、Buyの評価を付けただけである。

それにしてもアナリストとはおそろしい力を持っているものだ。昨日と今日でNetflixの業績に影響するような何かがあったわけではない。Citigroupのアナリストの一言で会社の価値が9%も上がってしまうのだから。

個人的にはNetflix株はまだ手放すつもりはない。Netflix株にネガティブな人たちは、郵便によるパッケージメディアのレンタルというローテクなビジネスは、いずれはオンラインのダウンロードに取って代わられてしまうだろうと考えているのだろうが、これは当分ないと思う。

ハリウッドのスタジオは現在その収益の半分以上をDVDで稼いでいる。DVDを超える収益モデルがダウンロードで可能になるのかは甚だ疑問だ。この辺りはまた稿を改めて書こうと思う。