CBSのInnertube

先週4大ネットワーク局の一つ、CBSもインターネット上のビデオサービスを発表した。
こちらはBusiness Weekの記事。

CBS Jumps on the Broadband Wagon
http://www.businessweek.com/technology/content/may2006/tc20060505_227410.htm

このInnertubeという新しいサービスでは、当初はインターネット向けに作られたコンテンツと、放送枠に入らなかったコンテンツが中心で、広告サポートによる無料配信となる。

4月30日のエントリーで触れたが、CBSの成功事例であるNCAAのトーナメントのストリーミングでわかったことは、インターネット配信が放送の視聴率に影響を与えなかったということ。にもかかわらずInnertubeでメインのコンテンツ配信が行われないのは、系列局との間で調整が終わっていないかららしい。

こうしてみると、現在のところは4大ネットワークそれぞれインターネットでの配信に関しては、ビジネスのやり方にもコンテンツの扱い方にも違いが見られる。しばらくの間はいろいろ試行錯誤がなされ、お互いに様子を見ることになるのだろうが、いずれはどの局も同じようなやり方に落ち着くのではないかとみている。そして、その落ち着く先というのは、ABCがやっているようなプライムタイムのコンテンツから、CBSがやろうとしている放送枠に入らなかったニッチなコンテンツ、ロングテールのコンテンツまで、あらゆるコンテンツが広告サポートのもとに無料配信されるものになるのではないだろうか。

とはいっても、これでインターネット上の配信が既存の放送ビジネスを大きく変えることになるのかどうかはやはり疑問だ。これまでのいくつかのトライアルを通じてABCやCBSが言っている通り、インターネットは放送の視聴率には影響を与えずに、これまで取り逃していた視聴者に新たな視聴手段を提供するという、いわばメインの放送の補完的な役割を担うに留まるのだろう。