変化する広告手法

今日のWall Street Journalに、昔のテレビコマーシャルが復活しつつあるという記事があった。
DVRの普及で、視聴者が簡単にCMをスキップするようになった今日、広告代理店はいろいろ違う広告手法を試している。記事によると、Burger King、DaimlerChrysler、Coca-Colaなどが、昔話題になったCMのリメーク版を最近流しはじめて好反応を得ているという。昔の広告に慣れ親しんだ視聴者が見ると、親近感を感じるのだと言う。

広告を強制的に見せる時代から、消費者が広告を選ぶ時代になってきている。DVRで普段CMをスキップする視聴者も、面白そうだと思った広告には目を留めるらしい。こうして質のいいCMが増えるのは視聴者にとっては好ましいことだ。Webサーフィンをしていても、以前よりも目を引く広告が増えてきているような気がする。

しかし、この最近の流れの中でかなり個人的に疑問なのが、はやりのProduct Placementである。
映画の世界ではかなり前からやられていたものだ。James BondBMWJaguarを運転して活躍するのは見ていてもかっこいいものだった。しかしこの間見た"The Island"はひどかった。ストーリーは悪くなかったし、スカーレット・ヨハンソンもとてもいいのだが、ありとあらゆる場面になにかしらのスポンサーが出てくる。MSN、XboxReebok、Puma・・・ ここまでやられると映画の世界に入り込めなくなる。Product Placementの場合はテレビCMと違ってスキップするわけにもいかないから、これはもうどうにもならない。

なんでも、ハリウッドの脚本家の中には、Productを脚本の中にうまく溶け込ませるのに、追加で金を取ろうというような動きもあるらしい。広告の手段としてProduct Placementを否定するわけではないが、いずれは広告主も代理店ももう少し賢くなって、バランスの取れたところに落ち着いて欲しいものである。