デジタルシネマの衝撃

きのう久しぶりに映画館に行ってきた。
観たのはDisney配給の"The Chronicles of Narnia"。原作を読んだわけではないのだが、映画としては良く出来ていた。
しかしそれ以上に印象に残ったのが、その映像の綺麗さだった。

観た場所は、サンノゼのショッピングの中心街Valley FairとSantana Rowの向かいにあるCentury Theatres。Narniaはこのシネコンの中でも一番大きなスクリーンで上映されていたのだが、ここはこのシネコンの中で唯一デジタル化されている劇場である。

実はデジタルシネマを観るのは初めて。見た瞬間にその違いが分かった。
まず気が付くのは、映像が全くブレないこと。アメリカでは予告編の前にグリーンのスクリーンでレーティングを表示する静止画が出るのだが、これを見るとそこにピタリと映像が静止しているのがわかる。またベタのグリーンのスクリーンに一切フィルムで見られる傷が入らないこともわかる。

いよいよ本編が始まると、まずメインタイトル前のCGの映像がまるでコンピューターのスクリーンを見ているように綺麗に見える。本編の実写映像も、これまでのフィルムでは見たことがないようなキメの細かい鮮やかな映像を見ることができた。

家庭にHDのテレビが普及し始めてはいるが、映画に関してはまだHDのパッケージメディアがない。にも関わらず、家庭でのDVDのホームシアター環境に満足しているユーザーが、映画館まで足を運ばずにDVDのリリースを待つことが増え始めていると言う。統計によると、1948年には毎週9000万人のアメリカ人が映画館に足を運んでいたのが、2004年には1/3の3000万人にまで減ってしまった。これからますます家庭へHDテレビが普及し、Blu-rayHD DVDが来年以降普及してくると、この傾向に益々拍車がかかることはほぼ間違いない。

映画館に客足を取り戻すには、このデジタルシネマは格好のチャンスではないだろうか?
自分の中では、きのうのデジタルシネマから得た衝撃は、初めてテレビのHD放送を見たときの衝撃に匹敵する。これだけ綺麗な映像を見せられると、もっと映画館に行こうと思う。またもうフィルム映像には戻れないだろう。見たい映画がデジタルでやってなかったら行かないかもしれない。

デジタルシネマに関わる最近の業界の話はまた機会を改めて書こうと思う。