Starzのビデオダウンロードサービス Vongo

zakm2006-01-03

HBOと並ぶプレミアムケーブルチャンネルのStarzが、今日パソコンとポータブルデバイス向けの映画のダウンロードサービスをアナウンスした。
http://news.yahoo.com/s/ap/20060103/ap_on_bi_ge/portable_movies

Vongoと呼ばれるこのサービスは、月額$9.99で約1000タイトルから、家庭内の3つまでのデバイスでダウンロードが可能になっている。(ちなみにwww.vongo.comは日本からはアクセスできない)

CinemaNowやMovielinkなどの映画のダウンロードサービス、あるいはiPodのビデオダウンロードがダウンロードあたりの課金(たいてい$1-$4程度)なのに対して、このVongoは$9.99でダウンロードし放題。

一見すると魅力的なサービスに聞こえるが、よくよく考えてみるとそうでもなさそうな気がする。理由を挙げてみよう。

・まずこれらのタイトルはStarzのケーブルチャンネルの方で放送されるようになるのを待たなければならない。これは通常DVDのリリースから5−6ヶ月経ってから。つまり本当に見たいタイトルはもう既に映画館で見たか、DVDを買うか借りるかして見てしまっている可能性が高い。

タイトル数が少ない。Netflixは55,000タイトルのDVDライブラリを持つが、Vongoのライブラリはその50分の1にも満たない。しかもWalt DisneyとSony Picturesの映画がほとんどで、他のスタジオのタイトルは限定されているようだ。

・そもそもパソコンやポータブルデバイスで2時間の映画を見るのかという問題。例外は飛行機の中でノートパソコンで映画を見る場合。それ以外では個人的には経験がないし、しようと思ったこともない。もっと短いテレビ番組や、ショートフィルムなどではあるのかもしれないが、2時間フルの映画をパソコンのモニターやポータブルデバイスの小さなスクリーンで見ようとは思わない。

・最後に、実際にどれほど映画を見る時間があるのかという問題。先月のNetflixの話でも書いたが、私個人としては週に2-3本の映画が限界。ダウンロードし放題といっても、実際にはそんなにたくさんの映画を見る時間がないのだ。

今日Netflix株は4%近く下げた。もしこのニュースに反応しているものだとしたら、投資家はこのVongoのサービスそのものにというよりも、Netflixがしばらく計画を延期すると表明した映画のダウンロードサービスが、こういう形で違う会社からアナウンスされたというその事実に対して不安を抱いたからなのではないだろうか。

1年後にこのサービスがどれほどのユーザーを獲得しているのか、注目してみたい。