テレビ番組のダウンロードにお金を払うか?

最近ビデオのダウンロードに関していくつかエントリーを書いていたが、興味深い調査を見つけた。

Points North Group and Horowitz Associates Inc.という調査会社が消費者800人に電話インタビューで、お気に入りのテレビ番組を$1.99払ってダウンロードして見たいか、あるいは広告付きでタダで見たいかを聞いた。この調査を開始したのがiTunesでビデオのダウンロードサービスが始まった後。

結果は17%が$1.99払う、62%が広告付きという結果だった。

iTunesでのビデオダウンロードは通算で800万ダウンロードを超えたらしい。このうちどれくらいのダウンロードがテレビ番組だったのかが興味のあるところだが、勝手な予想ではそのほとんどはミュージックビデオなのではないだろうか?(どなかたデータ見つけたら教えてください)

ミュージックビデオなら繰り返し見る(聞く)こともあるだろうが、テレビ番組だとおそらく1回見て終わり。しかもダウンロードできるビデオのクオリティはSD以下であるのに対し、DVRも持っていればHDクオリティでタダで録画できてしまうわけだから、それほどはやるとは思えない。

調査結果の800人という母数が多いか少ないかという問題はあるが、この調査結果を信じるのなら、今後$1.99でCMなしのダウンロードというのは頭打ちになるのではないだろうか。

無料でビデオをダウンロードできるサイトはすでにたくさんある。最近Viacomに買収されたIFILM(www.ifilm.com)や、ここ1年弱でトラフィックを倍増させたというYouTube(www.youtube.com)など、Google Videoに比べてもよりユーザーフレンドリーなサイトで人気がある。

これまでP2Pでダウンロードされるテレビ番組の常に上位にランクされてきたのがティーンエイジャー、あるいは20代前半向けの番組(The SimpsonsやSpongeBobなど)だった。この世代は無料で手に入るものにはなかなかお金を払わない。

Napsterに始まったP2Pでの無料音楽ダウンロードから、現在iTunesで通算6億曲以上がダウンロードされるまでに至ったのは、この若い世代のみならずより広い世代の人たちが使うようになったからだろう。しかしビデオに関しては、パソコンや携帯端末でビデオを見るのは現在この若い世代が中心で、より広い世代にこうしたビデオの消費形態が広まるかどうかは今のところは疑問だ。

CEA(Consumer Electronics Association)の予測によると、2006年に売られるMP3プレーヤーの30%がビデオ再生に対応したものになるという。個人的にはこれにも?を付けておく。