タイムシフトの概念

古川亨さんのブログに、こんなエントリーがあった。

次世代のテレビに期待すること
http://spaces.msn.com/members/furukawablog/Blog/cns!1pmWgsL289nm7Shn7cS0jHzA!3156.entry


そこで、何が欲しいかといえば、リモコンの3組の上下ボタンがあって、一番目は音声のボリューム、2番目がチャンネルの選択、3番目が時間の前後という押しボタンがあれば、夜の10時に帰ってきて、テレビに向かいチャンネル変える、面白い番組がなかったら時間を戻すボタンを押すと10時でも7時や8時に時間が戻り、その時点の番組を選ぶことができる…
これってものすごくいいアイデアだと思った。TiVoやReplayTVが、なかなかその便利さをうまく訴求できなかったためにDVRはなかなか普及しなかったのだが、これほど直感的にタイムシフトの概念を説明できる方法があったとは。

好きな番組を好きな時に見ることが出来る。一見簡単そうに聞こえるこの概念を店頭で説明するのは至難の業だ。VCRしか録画手段がなかった当時、店頭でVCRと並べて置かれていても、テープの入口がない箱で何ができるのかさっぱりわからない。そもそもVCRでさえ、多くの人は時計の設定さえやらなかったくらい録画という概念が薄い商品であったのだから。

今でこそ衛星放送業者やケーブル業者が積極的にプロモーションをやったおかげでDVRも普及しはじめたが、それでも1999年にTiVo、ReplayTVがデビューしてから7年も経っているのにやっと7%程の普及率である。

どんなに優れた商品であっても、消費者にその良さが伝わらなければ売れない。世の中使ってみるととても便利で手放せなくなる商品はたくさんある。でも大多数の消費者にはそれが分かってもらえずに世の中から消えていってしまう。モノを作っている側からすると、「なんでこんないい商品を作っているのに売れないんだろう?」と考えてしまいがちだが、結局それは作る側がわかりやすい商品を作る努力、わかりやすく訴求をする努力を怠っているだけなんだろうと思う。