Amazonが映画のダウンロードサービスに参入?

Varietyの記事によると、Amazonがスタジオ側とダウンロードサービスの話をしているとのこと。
http://www.variety.com/article/VR1117936956?categoryid=18&cs=1&nid=2570

Amazonは昨年Netflixに対抗して郵便のDVDレンタル事業に参入するのではないかと噂されていたが、アメリカでの参入は実現していない。(ヨーロッパではやっている)
Amazonは持っているインフラから考えると、Netflixの強力なライバルになると目されていた。全米の家庭にDVDを郵送するための配送センターは持っているし、これまでにAmazonでDVDを買った顧客ベースと、その顧客の購買の嗜好までつかんでいる。

そこに今回のダウンロードサービスの噂。レンタルサービスの方をあきらめたと見るのは早計かもしれないが、単なるDVD販売を超えた新しい付加価値を模索している様子が伺える。

AmazonのプランがVongoやMovielink, CinemaNowなどと違うのは、ダウンロードにかかった料金をDVD購入に充てたり、逆にDVDを既に購入して届くのを待っている人が先にダウンロード視聴できる、というように、サービスがDVD購入に結び付けられていることである。こうする方が、DVDの利益を犠牲にしたくないスタジオ側の説得がうまくいくとみているからだろう。

スタジオ側にとっては、DVDのウインドウを出てPay-per-view,、VODまで来た作品に関しては、ダウンロードがDVDの購入につながるのであれば歓迎するのは間違いない。しかしいくらDVD購入に結び付けられたサービスとはいえ、DVDのウインドウにある作品までダウンロードを許すのかどうか?

記事中でもう一つ触れられているのが、ケーブル最大手のComcastとスタジオとの交渉の話。これはComcastがDVDのウインドウでのVODの権利を得る代わりに、同時にDVDを購入してもらい郵送するというもの。スタジオ側からすればDVDを買ってもらえるので損な話ではないと思うのだが、ニュースになってからしばらくたった今でも何もアナウンスがされていない。

スタジオ側が渋っているのだとすると、何が問題なのか?
あるとすれば、このディールで損をする可能性があるリテーラーにに遠慮しているのかもしれない。現在ハリウッドに最も影響力を持つ会社はWalMartだと言われている。DVD小売市場で圧倒的なシェアを持つのがWalMart。彼らが扱ってくれるかくれないかで、DVDタイトルの売れ行きは大幅に左右されてしまうのだ。