最近の注目株

さて、今日はひさびさに株の話題。最近注目している株を3つ。

まずはBest Buy。
去年始めたこのブログの最初のエントリーで取り上げたのだが、この時の業績発表時に市場は過剰反応してかなり下げていた。その後ホリデーの売り上げが好調だったことも手伝って株価は順調に回復。今日現在では12月の$44の時から30%以上高い$58になっている。

3月末に発表した通年の業績は好調。Best Buyはこれまでの商品カテゴリー中心の店舗作りや組織になっていたのを改めて、顧客中心の店舗・組織への変革を図っている。また従業員の待遇改善にも力を入れており、これがSGAの負担にはなっているものの、この1年で従業員のターンオーバーを15%改善する(81%→69%)など、成果は出始めている。Best Buyに商品を卸すメーカーの側からすると、店頭の従業員が長く留まっているほど商品知識の豊富な店員が増えることになるので、従業員のターンオーバーの改善は大いに歓迎されるべきものだ。

店舗の改装も加速している。これまで200店舗で展開してきたMagnolia Home TheaterのBest Buy店舗内への取り込みを、今年のホリデーまでには300店舗に増やす。大画面テレビの値下がりに伴う需要の増加、さらにこれに伴うホームシアターのインストールの需要を先取りした動きだ。これによってインストールの売り上げは前年比で倍以上を見込んでいる。またITサポートをやるGeek Squadの方もヘッドカウントが12000人にまで増え、こちらのビジネスも2倍近い成長を見込んでいるという。Windows Vistaの導入もプラスになるだろう。

カンファレンスコールを聞く限りでは、これらのビジネスが成長しているとはいえどれほど収益に貢献しているのかはわからない。ホームシアターインストールはまだ赤字のようだが、来年には黒字に転換する見込みだという。これらの活動がうまくいけば、本格的に収益に貢献するのは2年くらい先になるだろう。短期的にはまた昨年12月のようなフラつきもありえるが、まだしばらく持っていていい株だと思う。

二つ目は、3月9日のエントリーでも取り上げたTiVo。
今年のはじめには$5ちょっとであった株価が、先週は$8を超えるまでの高値を付けた。この上昇のほとんどが、おそらくEcho Starに対する特許侵害の裁判への期待だろう。TiVoのビジネスそのものは相変わらず先行きが不透明だが、この裁判で勝てば、おそらく今後5年間で全米の家庭の半分近くにまで普及するであろうDVRの基本特許を押さえることになるのだから、期待値が高まるのも頷ける。
判決は4月中に出る見込みなので、こちらを見守ることにしよう。

三つ目は、Akamai Technologies。
これはあまり名前に馴染みがないかもしれないが、iTunes Music Storeをはじめ、トラフィックの多いウェブサイトのバックエンドのサービスを提供している会社。最近ではNCAAバスケットボールのIPストリーミング放送が記録的なヒットをしたことで注目を集めていた。
もともとは90年代後半のドットコムバブル時にもてはやされて、2000年には株価は$300を超えたが、その後バブルがはじけて2002年には紙切れ同然にまで落ち込んだ。2003年以降株価は回復し、ここ1年余りで株価は倍以上になって現在$31になっている。
インターネットによるコンテンツのストリーミングやダウンロードといった動きは今後まだまだ成長するエリアであるし、ライバル企業の買収なども経て事業は安定しつつある。株価が今後とも急成長を続けるかどうかはわからないが、何かの拍子に利益確定の売りが集中して下げるようなこともありえるので、その時には買いを考えてもいいかもしれない。